『町でうわさの天狗の子 1, 2』[岩本ナオ/小学館]

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漫画の書評で参考にしてる幾サイトかがこぞって褒めちぎっているのが気になり、主人公が天狗の少女ということで、某最速の天狗が色々な意味で大好物な仮面の男さんとしては、懐に収めずにはいられなかったのでした。

結論から言えばもう大満足です。今年読み始めた中では二、三を争う内容ではないでしょうか。淡々とした中に表情豊かな絵柄、淡々とした描写の中にもそれぞれの優しさとキュートさをみせる魅力的なキャラたち。そして怪力無双のそれはそれは可愛らしい天狗の少女、秋姫が恋にしがらみにおおわらわするその一挙手一投足が、素敵で仕方がありません。仮面の男さんは劣等感の中から顔を真っ赤にしてしっかり立とうとする女の子が大好きなんですけど、もうど真ん中もど真ん中。読んでてにやにやが止まらなくて困ってしまいました。

そしてこれはいいなと思うのが、主人公を取り巻く周りの気持ち良さなんですよね。もちろん現代を舞台にした作品ですから、そもそも天狗の存在を認めなかったり、いわれもない偏見を受けたりもするんですが。一度彼女の在り方を認めると、竹を割ったようにすっぱりと受け入れてしまう。この辺はいくら現代といっても半ばファンタジィなんですけど、でもありえそうでなさそうで、でももしかしたらあり得るかもしれない、そんな人間と妖の距離感がたまらなく心地よくて、そして羨ましい気持ちになります。

話的にはようやく動いて来たくらいの進行度なんですけど、町の雰囲気、登場人物の動き、ベタでいてその辺りを飄々と外してくるわびさびのある巧さを追うだけで、楽しくて頬が緩んで仕方がない作品です。

これだけ言葉を尽くしても、作品の魅力をほんの少ししか表現できていないことが残念でしかたないんですけど、このトピックを読んで少しでも感じて頂けたなら幸いですし、手を伸ばして頂けたなら幸い――というか見つけたら即座にひっつかんでレジに持って行くべきだと思いますね。

感想漫画
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