沖縄旅行へ行ってきました(一日目)

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 七月某日、沖縄へ旅行に出かけました。

 父の定年旅行という名目で、家族四人での遠出です。普段、別々の場所で暮らしているため斯様な機会はあまりなく、今回実に七年ぶりの家族旅行となりました。折角滅多に行かないところへ赴いたのだから、少し眺めの旅行記を書いてみようと思います。今回はその第一日目となります。

 実は当初の予定では私の住まいに合わせて房総半島周辺だったのですが、三月に東北で大地震が発生した関係で難しいということになってしまいました。そこで急遽沖縄へ行くことになりました。

 沖縄と言えば亜熱帯の気候を有し、本州とは異なる風土がある土地柄が想像されます。私は蛇が苦手なのでハブが少し怖いと感じましたが、それを差し引いても魅力的な土地であることに変わりはありません。直前に夏コミの締め切りが待っていたりもしたのですが、それも含めて用意万端で旅行にのぞむことができました。

 前日に家族の中間地点である大阪に集合した私たちは翌朝、関西空港から一路、沖縄へ飛び出しました。関西付近は雲がかかっていましたが、上空へ来ればただただ青空が広がるのみです。眼下には足を乗せられそうなほどの豊富な雲。ドラえもんの某作品を思い出させる光景です。あるいは有川浩の某作品を、あるいは……などと雲にまつわる作品の連想をせき止め、優雅に読書をしながら約二時間程で沖縄に到着しました。やや雲はかかっておりましたが、過ごしやすい天候でもありました。

 着陸。めんそーれ。沖縄の匂いを嗅ぎながら空港を出ることしばし、観光タクシーに搭乗していざ沖縄に出発です。その直後、道路の右手に大きな基地が見えてきて、沖縄に来たことを実感します。少し走ったところで、運転手さんのおすすめしてくれたソーキそば屋に入りました。甘辛く煮つけられたソーキに少し太めの麺、あっさりめのスープが相絡まって箸が進むこと。母の頼んだゴーヤチャンプルーも苦みの利いたほろほろした食感で、一気にお腹が膨らみました。うまうま。

ソーキそばゴーヤ

 その後、第一目的地であるひめゆりの塔へ。そこへ至るまでの街道は日本のチェーン店が多く、台風などの強い雨風を防ぐためと思われる独特の建築様式を除けば、本州と比べてそれほどの差異は感じませんでした。中古車センターが軒を並べていたのですが、運転手さん曰く「電車が走ってないのだから車社会だよね」とのこと。考えてみれば当然のことです。

 閑話休題。ひめゆりの塔の前には生々しく空いた空洞、そして犠牲者の碑。沖縄戦のことは小さい頃折々に学びましたけれど、実物には相応の生々しさがあり、思わずしのばれるものがありました。奥は展示館となっており、戦前の沖縄が当時の品と共に並べられておりました。当時のシンプルで無骨な金属製品、教科書や手紙など。悲しみに彩られたものであると知りながら、普段触れることのできない古い造形を間近に見られることは参考になるのでした。

 戦前は沖縄にも汽車が走っていたということを初めて知りました。当時は車がとみに高級品でしたから、公共交通機関が必要だったのでしょう。沖縄は特に南部が、地質的に自然の洞窟ができやすい土地で、戦時は防空壕として多くが活用されたのだと、これは後で運転手さんに聞いたことですが、米軍の徹底した焦土作戦は日本側が徹底抗戦したからということもありますが、その地形ゆえでもあったのかもしれません。

 最後にひめゆりの学徒たちが勉めていた女学校の模型も展示されていましたが、煉瓦造りの浪漫を感じさせるものでした。このような素敵なものが徹底的に破壊されてしまうのだと考えれば、やはり戦争は功よりも圧倒的に罪を作ってしまうのでしょう。

 展示館を見て最後に立派なガジュマルの前で記念撮影。次に向かったのは平和記念公園ですが、ここでのことは大幅に割愛します。思想がかったものを感じる施設で多くを語りたくないからです。

 ただし一つだけ特筆するものがありまして、戦後間もない頃に建てられた、米国の影響を強く感じさせる施設の展示があったのですが、良い意味での胡散臭さがありました。文明開化後の日本もそうですが、他文化が強烈に侵入してくることで元文化と衝突して生まれるものには、どちらにも属さない独特の魅力があるように思います。占領という事実を考えれば無邪気に楽しめるものでもないのですが、面白い展示物でした。あと出口付近のガラス張りの壁から見える海は非常に綺麗でした。深みのある海の青、地質から来る味わいのある海岸線。しばらくぼんやり眺めていても良いくらいの綺麗な海でした。

 記念公園を出ると、次はおきなわワールドに向かいます。ここの目玉は大きな鍾乳洞と南国の幸、それからハブにまつわる催しものなどなどです。最後の一つは時間の関係上で立ち寄ることはなかったのですが、それはさておき。

 沖縄南部が空洞の出来やすい地質であることは先に述べました。その中でも一際大きな洞窟らしいのですが、地下の空洞にたどり着くと外界とはまるで別世界のような涼しさが待ち受けていました。滴が垂れるほどの湿気に、所々が白く変色した見事な色形の鍾乳石です。それがかなり奥まで続いており、マインクラフトなうです。私は最近、色々な動画を見た影響で購入してちまちまとプレイしているのでした。中毒になるので控えめのプレイを心がけているのですが、箱庭世界をデザインするときはついつい童心に帰ってしまいます。

鍾乳洞

 バリエーション豊かな鍾乳石で形作られた洞窟を堪能してから外に出ると、むわむわした熱気が一気に吹き出してきたかのようです。これはたまらないと家族で沖縄土着(そうでもありませんが、そういうことにしておく)の飲み物をそれぞれ買いました。私はヤシの実のジュースを頂いたのですが、うん、本当にほんのり微かの甘さで、飲み口は水とほとんど変わりませんでした。よく漂流ものでヤシの実を取って飲み干す場面がありますけどさもありなん。 ちなみに妹はサトウキビジュースを頼んでいたので少し飲ませてもらったのですが、これは草っぽ過ぎてあまり口にはあいませんでした。

 そこから先はお土産もの屋を通らせる巧妙なコース造りになっており、基本はスルーだったのですが、一つだけ強烈に目を引くものがありました。ハブをまるまる一匹漬け込んだハブ酒です。7.5リットルで税抜き300000円、1リットル4万円もの高級酒です。ネタにはもってこいですけど流石にこれは買えません。ちなみに運転手さんの話では「生臭くてとてもじゃないけど飲めたものではない」とのこと。

 土産もの屋を抜けて施設を後にした私たちが最後に向かったのは首里城です。定番ですね。このお城、今でしたら池上永一の「テンペスト」と結びつく建物ですが、私にとっては「花の慶次」のイメージが強くあり、コミックスの描写を思い出しながら城を進んでいきます。高台にあるためか階段の傾斜はきついのですが、唐風の赤を基調とした建物の華やかさに疲れを忘れて登っていきます。

守礼門

 やがて辿り着いたのが本殿前の大広場。花の慶次で慶次と竜なんちゃら親方が激闘を繰り広げた場所です。琉球編のクライマックスを思い出しながら、展示館ともなっている本殿と囲む建物の中をぐるりと一周です。入口となる右手の建物(薩摩の特使がかつて住まっていたそうです)に入って少しすると見えてくるのが歴代の王の肖像画。もちろん原哲夫ではなく、唐風の絵柄です。それだけでなく赤を基調とした色や服の仕立て、陶磁器などを見ても当時の日本より派手な装いです。かつて貿易のよすがとなっていた多彩な国であったゆえのものなのでしょう。

正殿

 本殿には琉球王の座っていたであろう玉座も備え付けられており、雰囲気満点です。腰掛けられたら最高だったのですが、流石にそこまでは出来ませんでした。本殿を抜けるとかつての琉球を再現したであろう模型やらパネル展示が行われている建物に入ります。家臣たちがずらりと並びかしづいているのは正に漫画の一場面を彷彿とさせます。

王座

 模型はもう一台あり、こちらは中国(当時の明、清)からの施設が琉球王の承認を行っているところでした。琉球国はかつて周りの国がほぼ軒並みそうであったように、中国の覇の傘下にあった国の一つです。江戸時代に入ってからは薩摩の役人もまた城に入り、長らく板挟みになりながら国を運営してきました。それも長年の王朝運営における国庫の枯渇、欧米列強の進出による国体の避け得ざる変化によって衰退し、滅んでいったのでした。

 そのような名残を感じながらも城をあとにし、もって一日目の観光が終わりました。いかにも日本人風な弾丸行脚と言えますが、疲れはしたものの充実の一日を過ごすことができました。ホテルに着くと観光タクシーの運転手さんにお礼を言い、タクシーの時間超過のこともあってややばたばたした感じで荷おろし、ホテルにチェックインしたあと、地元の居酒屋らしいところに繰り出しました。

 私は少し……いや相当の偏食家であるため食べるものに難儀したのですが、両親と妹は海ぶどうやゴーヤ料理(私はぷちぷちする触感が大の苦手で、ここのゴーヤは苦すぎて駄目でした)をもりもり食べていました。それでも県魚であるグルクンの唐揚げはやや身が柔らかいながらもなかなか、お刺身の盛り合わせも新鮮でおいしゅうございました。

グルクンの唐揚げ

 明日はダイビングということで、今日はゆっくり眠ることにしました。寝心地の良い布団にダイブしてすぐ睡眠……と行きたかったのですが、父の鼾があまりに大きくて本格的な眠りにつくまで一時間半近くかかってしまいました……明日も父と同室で私は頭を抱えました。

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