『御神楽少女探偵団』紹介

 御神楽少女探偵団とは1998年9月に発売された『御神楽少女探偵団』および、1999年10月に発売された『続・御神楽少女探偵団』にて完結している連作推理系ADVゲームです。時は大正時代、帝都にはびこる犯罪をその洞察力で解き明かしていった名探偵、御神楽時人とその助手達の物語です。計8枚組(実質は6枚組なのですが)という大容量と、それに違わぬ文章量、グラフィックは今でも推理系ADVの最高峰に位置していると、私は確信しています。

しかし、絵柄と内容の微妙なミスマッチや第一作での『つづく』などでかなりのプレイヤの怒りを買い、開発元であるヒューマンもゲーム部門から撤退したため、続の方は悲しいほど出荷数が少ないことでも有名です。多分、第一作をプレイした方の半分にも行き渡ってないのではと私は推測してます。その後、別会社より再販もかかりましたが雀の涙ほどに少なかったので、草葉の陰で嘆いた記憶があります。

ただ、物語的には非常に秀逸で特に続の『蜃気楼の一族』は、本職のミステリィ作家でさえ唸らせる伏線と展開の妙が体験できます。もし今まで発売されている推理ADVの中で最も良いシナリオはと聞かれれば、私は間違いなく『蜃気楼の一族』を選ぶことでしょう。他にも『夢男(蘇る夢男を含む)』や『暗闇の手触り』も高い完成度を誇っており、プレイしたものを唸らせること間違い無しです。そして特筆すべきはラストシナリオ『さ・よ・な・ら』だと思います。

衝撃でした。この物語はこれで終わる、それは分かっていたのです。それでも『さ・よ・な・ら』で提示された結末は、私の心を打ちのめしました。どのようなものかは述べないでおきましょう。しかし、推理物の連作である御神楽少女探偵団という物語のラストを〆るに、相応しい物語でありました。この話あればこそ、シリーズは忘れ難い名作として、語り継がれているのです。とても小さい灯火ではありますが。

ウェブ上では続の発売前後が最も盛り上がり、その筆頭となるサイトさんがあったのですが、いきなり更新を止めてしまいました。そのサイトを求心力としていたファンサイトなども軒並み更新を止め、潜在的なファンは現在では殆ど、アンダグラウンドで布教活動をしているに留まっています。ちなみに私もそうです。もし、何かきっかけがあれば、とも思うのですが、現状ではこうしてアップされないテキストを抱えたまま悲しんでいるのでした。

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とまあ、これが2002年の11月に書いたテキストでした。この時より10ヵ月後、ようやくこのテキスト、ひいては御神楽が三度、表に出るチャンスがやってきました。新作が、発表されたのです。

発売元はelf、18禁ゲームとしての少し微妙な復活でありますが、最新作『新・御神楽少女探偵団』が披露されるのです、しかも『御神楽』『続・御神楽』のシナリオも同梱で。

これを推さずして、何が御神楽ファンか! つーか18禁シナリオはとても心配なのですが、まだ未プレイの方に、シリーズ二作に触れるチャンスがあるというのは、喜ばしいことかと思います。というわけで、改稿した御神楽少女探偵団、オススメの文章をサイトにアップする次第であります。

2003-09-17 仮面の男

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