CLOCK TOWER3 プレイ記録(1)

--アリッサ、1940年代の英国にて変態第一号に追跡される--

プロローグ アリッサ帰宅編

さて、記述に先だって舞台背景と簡単な説明をば。

 

時は2002年12月も末――英国にて第3のクロックタワーの物語が幕を明けます。各種の変態どもと命がけの鬼ごっこを繰り広げ、しかもとんでもない人物に 『永遠に一緒になろう』 と熱烈な、しかし勘弁極まる愛の告白を受けてしまった少女 『アリッサ・ハミルトン』 の物語です。

主人公、アリッサは英国のとある寄宿舎より英国のセカンダリィ・スクール(日本で言う中学校のようなもの)に通うごく普通の学生。

この人、いきなり母からの手紙を読んでいるのですが、どうも家に帰ってくると命が危ないっぽいようです。まあ、そんなのに従ってたらゲームは始まりませんから、きっと何かの理由で言いつけをやぶることになるのでしょう。と思ったら怪しい無言電話に誘われて案の定、彼女は帰宅してしまいました――お約束過ぎです。

そして、帰ってくるや否やどう見ても真っ当な職業ではなさそうな人物が食堂に陣取っています。アリッサが尋ねるとこの人物、いきなり熱烈ラヴ宣言――怪しすぎる人物ですが、余りの紳士のはっちゃけぶりに呆然としたアリッサは後を追うことすらしません。説明書を見ると 『闇の紳士』 という最強最悪の人物らしいのですが、私の目には今回のロリコン変態担当としか見えませんでした。

変態が去った後は、何事もなかったかのように部屋の探索が始まります。しかし探索を始めると直ぐにも変な封印がかかった扉を発見したり、隠し部屋があったりと、どう考えてもおかし過ぎです。しかし、お母さんラヴの一心で館を探索するアリッサは全く動じません。隠し部屋に通じる狭い通路を果敢に這って進みます。さて、アリッサは結構短いスカートを穿いているのですが、どのアングルにしても見えそうで見えない視点を保っているというところにカプコンの職人芸を感じました。

『パンツを見せない、これこそがカプコンの職人芸』 ――覚えましたね、ここは試験に出ますからよーく覚えておいてください。ちなみにどのアングルでもということは、パンツ見たさに試したのか? という質問については却下しておきます。ここで必要なのは、プレイヤがどう頑張っても『見えない』ということです。私はそのことを深く、述べておきます。

さて、話を本筋に戻りましょう。通路を超え隠し部屋に辿り着いたアリッサは、血の涙を流すという悪趣味な仕掛けに憤ることもなく、特殊な聖水を貯めることのできる入れ物を疑問に思うことなく手に入れます。そして聖水の力で扉の封印を破り、お母さんの部屋へ。というかお母さんの部屋に通じるドアに封印がかかっている時点でもう少し慌てるべきなのだと思うのですが、アリッサは勇敢で強い女の子なのでびくともしません。

ようやく目的の部屋に辿り着いたアリッサですが、そこにお母さんの姿はいません。そこで暫く探索していると、いきなり 『ショパンの幻想即興曲』 が館に響き始めます。CDプレイヤなどの確認を始めるアリッサですが、鳴っちゃいません。勿論、そんなオチではプレイヤも納得できないでしょう。そしてアリッサはその音楽に導かれるようにして、妙な封印の扉をくぐってしまいました。

1.1940年代英国(1)
--幽霊だらけの街に徘徊する変態男との初接触--

アリッサが我に帰るといきなり空襲に巻き込まれてぴんちです。あるのかないのか分からない反射神経でそれらを避け切ると、勇敢な彼女は 『ショパンの幻想即興曲』 の流れてくる方向を目指して直進を始めます。どうやら音楽は近くのホールより聞こえてくるようです。急ぐアリッサの前に、しかしいきなり幽霊が現われ、威嚇してきました。説明書を見ると、思い出の品を渡して後腐れなくすっきり成仏して頂けとのこと。

その辺は適当にあしらいながら、更に先を目指します。するとこれ見よがしに封印のかかった店を発見したので、聖水で解いて不法侵入。中を適当に探索です。すると不穏当な記事を発見。

その記事によると 『メイ・ノートン』 という10歳のおにゃのこが、鈍器で撲殺されたとのこと。アリッサは事件の残虐さと迷い込んだ年代の不思議さに一瞬、戸惑います。記事が正しければアリッサは、1940年代の英国に来ていることになるのです。その意味を彼女は深く考え始めるのですが、しかし唐突な場面展開と騒音に中断されてしまいます。

二階では ハンマーを持った変態 に少女が追いつられています。何とか脱出しようとする少女ですが、しかし変態は頭部に決定的な一撃を加え、哀れ血塗れに。何事かと駆けつけたアリッサは、ハンマーで殴り倒された血塗れ少女と運悪く目を合わせてしまいます。更に運の悪いことには、その変態男が迫ってきます。更に更にタチの悪いことにその変態、アリッサのことを知っているようです。勿論、アリッサには きっしょい姿でハンマー抱えて追いかけてくる知り合い なんていません。当然、ハンマー持ちの変態はおかまいなし。

彼はくぐもった声で叫びます。

『メイはオレが殺した。次はお前の番だあっ!』

この間、ムーヴィなのですが、それが解けると同時に――。

『アリッサァァッ!!』

――凄い気合入れた声と共に追いかけてきます(汗

しかもこいつ、今までの 『CLOCK TOWER』 シリーズを超える想像もしないアクションを見せ始めたのです。ぶっちゃけ言うとこの変態ハンマー男――。

走ります。

いや、それが恐ろしいこと。まさかクロックタワーに、追跡者が 『走る』 という要素を加えることで、ここまでスリリングになるとは思いませんでした。

だから私の取った行動は兎に角 『夢中で逃げる』 です。こんなの予定にありません。幸い、隠れることのできるポイントは大きく表示されるので、そこに隠れます。ここで変態を回避することができるのか、私はもうドキドキものでした。

しかし、そこはやはりクロックタワー。私の期待を裏切ることはありませんでした。隠れたアリッサを探しに現われたハンマー男は――。

『アリッサ、ドコダァ!』

――――。

そんなことを言いながら、辺りを徘徊しています。

―――。

一度視界から消えたと思うと再びやってきて、再び気合のこもった声で叫びます。

『アリッサ、ドコダァ!』

―――。

その後、更に色々と動き回っていたようですが。

――――。

結局は見つけきらなかったようで、どっかに消えちゃいました。

――――。

―――。

――。

―。

どうやら、怪人の間抜けさっぷりだけは前作以前を思いっきり踏襲しているようです(笑

というわけで何とか回避できたのですが、幾つか部屋を探しているうち、間髪入れずに再び襲ってきました。この辺のタイミングも今までのクロックタワーにはなかったので 『早ッ!!』 とか思ってしまいましたが、回避ポイントがあったのでそいつをクリックしました。

するとアリッサたん、大ハッスルです。

彼女――徐に椅子を持ち上げると、ハンマー男に向けていきなり 投げつけ たのです(汗

しかも、それが砕かれるとハンマー男にタックルをかけて気絶させちゃいました。

――――。

―――。

――。

―。

強ええ――。

あんた無茶苦茶強ええよ、アリッサ(大汗

その強さに驚きながらも、回収すべきものを回収したアリッサはメイの家を後にしてショパンの聴こえてくるホールを目指し始めました。すると気絶させた筈のハンマー男が、直ぐに追いかけてきます――つーか、しつけーよ(泣

そのしつこさに怯えつつも、懸命な逃げでアリッサは何とかホールに逃げ込むことができました。ここまでは何故かハンマー男も追って来ないので一安心――と思いきや、妙な物体がハンマー男を惹きつけています。まだ、追いかけっこは終わりそうにありません。

2.1940年代英国(2)
--ピアノホールに巣食う亡霊と変態男再び--

ホールに来ると、ショパンの曲がピタリと止んでしまいました。何処から聞こえてくるのだろうと散策を続けるアリッサは、何ともうってつけのピアノステイジを発見します。駆け寄ると誰も居ないのに、まるでホラーのお約束のように幻想即興曲が流れてきてアリッサ大混乱。

しかも辺りを見回していると、いきなり血塗れの亡霊が出現してますます混乱してしまいますた。この少女、どうやらハンマー男に殴り倒された被害者メイの亡霊らしく、同じ所で間違えてはしくしく泣いています。どうやら上手く音楽を弾けなかったことに未練があるよう。

どうして良いか分からずに叫びまくるアリッサの声は当然のように、変態を呼び寄せてしまいました。ハンマー男おおはしゃぎ、殺された心的外傷を持っているメイは叫びながら消えてしまうのでアリッサは一人で逃げなくてはいけません。激しいチェイスを繰り広げた後、辛うじて舞台裏に逃げ込んだアリッサは、適当にゴンドラの昇降スイッチをいじってしまい、案の定、上から死体がフォーリング・ダウン。濃いご対面を果たしてしまいました。

そいつから暗号を奪い取ると、入り口カウンタにある錠付きロッカを開いてマスタ・キィを入手。これでアリッサたん、ピアノホール荒らし放題です。しかし、入った先でどうやって先回りしたのか分からないハンマー男が追いかけてきます。ハンマー振り回し、アリッサはパニックになりながらも何とか変態を退け先に進んでいきます。時には資材の下敷きにし、時には必死に逃げながら、果てには聖水を振り掛けつつ、ピアノホールを隅々まで探索したアリッサはやがて、この閉塞した事態を挽回するためのキィ・アイテムをゲットするのでした。

そのアイテムとは――。

ペンチです(泣

というか、ピアノホールを探して最終的に得たものがこれというのはちょと悲し過ぎじゃないですか。しかもペンチを得る為にアリッサは舞台天井の梁をつたって死の綱渡りさえしたというのに――得られたものが変態ハンマー男の愛情と、ペンチ。

やるせなさを覚えながらメイの家に戻り、針金で封印されたメイの部屋でやはり泥棒紛いの家捜しするアリッサたんはやはり、強い娘です。

そこでメイの無念を慰めるアイテムを手に入れ、アリッサは走ります――少女の亡霊を癒そうと。今まで斜めな解説ばかりしてきましたが、アリッサたんは基本的に健気で頑張りやの女の子なのです。そこだけは忘れてはいけませんっっっっっっ!!! そこではハンマー男の正体も判明しますが、私的にあんな変態男の素性なんて知りたくもありません。可哀想なおにゃのこを救う、それがアリッサの使命なのです。それも私、主張したいわけで。

ただ、悲しいことにこれはホラーなのです。物語がハッピィに終わる為には、怪人を退けなければなりません。当然の如く変態ハンマー男が行く手を塞ぎます。しかも正体がバれたことで吹っ切れたのか、何がなんでもアリッサを殺ろうとハッスル200%。絶体絶命のぴんちに立たされます。

しかし、今回はアリッサも怯みません。こんな変態に殺されるくらいなら――覚悟が決まったアリッサの目の前で、聖水入れが弓に変化します。しかも30分格闘アニメにありがちな高画質決めポーズCGまであり、否が応でも 『戦闘スタイルアリッサ』 を強調付けするのです。そう、今回のクロックタワーは逃げるだけでなく最後は変態を弓で殺さなければなりません。謎解き云々、クソくらえ。これがカプコンの出した 『ゲームを変えたクロックタワー3』 の答えだったのです。

何だか激しく間違っている答えのような気もしないことはないですが、兎に角今まで散々追い回してくれた変態を容赦なく葬り去りたいという気持ちは私も同じ。その思いを込め、ハンマー男を倒すっっっっ!!!

3.1940年代英国(3)
--変態男との最終対決と少女達の昇天--

――――。

―――。

――。

―。

こんなの無理、倒せません←諦め早ッ!!

この怪人との戦闘、相手を縛り付けて縛り付けて縛り付けた挙句、相手を束縛した状態でしか撃てない必殺技を繰り出すことが勝利の秘訣です。しかし、なかなか変態もちょこまか動き回り、相手を縛り付ける攻撃を行うことができません。逃げ惑うアリッサを、変態が蹂躙してしまいました――嗚呼、駄目な私を許しておくれ。

しかし、ここで逃げては人として間違いです。もう一度挑戦、今度は変態ハンマー男の隙を発見し、相手をがんじがらめに縛り付けることに成功しました。するとアリッサが――天に矢を向けたじゃありませんか。

――必殺技モード発動です――

矢を放つと天から魔法陣が光臨し、ハンマー男に降り注ぎます。明らかに破壊力高そうな一撃に、変態ハンマー男は黒い霧を噴き出して消滅してしまいました。

アリッサ、大勝利です。

私の指の感覚が半ば無くなっているのが少しアレなのですが、兎に角は変態を打ち負かすことができたのでした。

――しかし、まだショパンは鳴り響きません。メイの魂に安らぎを与えてこそ、アリッサの使命も終わるのです。

メイはまだピアノを、涙を流しながら弾いています。その少女にアリッサは、形見のある金色の時計を見せてあげます。そして父の死と、慰みの言葉を語るのです。少女はアリッサに励まされ、金色の時計でメロディを思い出し、最後までピアノを弾き切ることができました。その瞬間、父親があの世よりメイを迎えにきます。妙に演出が 『フランダースの犬』 っぽかったのですが、それもまたご愛嬌。ベタネタに徹してこそのホラー、そしてクロックタワーです。

二人はアリッサに感謝の言葉を述べ、そしてあの世に旅立っていきます。その一部始終を見届けたアリッサは変態に追いかけられたショックと、安堵とで、気を失ってしまったのでした。

『CLOCK TOWER3 プレイ記録(2) --第二の怪人、鬼畜変態硫酸男--』

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Author:仮面の男, 2003-01-02, Site:佳励なる仮面劇場 Mail:maskman@muc.biglobe.ne.jp