CLOCK TOWER3 プレイ記録(3)

--真性の露出狂変態現わる--

8 2002年英国・クロックタワー(1)
声が甲高いのは変態の証

クロックタワーのてっぺんから落ちたというのに、アリッサは何のダメージも受けていないかのように立ち上がりました。やっぱ彼女は強い娘です。

しかし、変な所に落とされてしまったのも事実。出口を探そうと歩き始めると、妙な地下水路みたいな場所に出てしまいました。今度は変態も隙を与えてくれませんでした。

いきなり手斧がアリッサすれすれを通り、ボイラに程度の大きな穴がポッカリさん。振り向いてみると、上半身刺青だらけでタチの悪いことに『裸』です。下は隠しているみたいですが、あれが服でなく肌に直接書いたものでないという保証は何処にもありません。しかも変な羽根みたいなビラビラ、両手に身に着けている腕輪――趣味最悪の露出狂変態であることは最早、疑いようもなく。

しかし顔はいかついので、さぞかし迫力のある声を捻り出すかと思ったのです。しかし、その野太い首や喉から発せられた声は――。

『ヘッヘッヘッヘッヘッヘッ――アリッサァッ!!』

甲高っ! しかも一昔前の不良学生っぽい興奮の仕方してるし(汗

これは典型的なテンパリ型変態の声です。硫酸男以上の変態を伺わせるそれに、アリッサはたじたじ。それを良いことに露出変態斧男は言いたい放題です。

『前の奴らは失敗したが、今度はそうは行かないぞ』

そして斧をちゃきっと構え、格好良く決めてるつもりで叫びます。

『俺の手で貴様を、ぶっ殺してやる』

――ハンマー男、硫酸男もある程度、そういう雰囲気は臭ってましたが、こいつは最早、監督が性格付けすらも面倒臭いと思ったのでしょう。典型的な三流悪役の行動パターンに酷似していて、しかも露出狂の変態。救いようがありません。

しかし、その動きは俊敏そのもの――知性も少しはありそうです。取りあえず近くの部屋に逃げ込み、回避場所がないかどうか探して回ると水槽の裏がそのポイントではないですか。こんな半透明な敷居で果たしてあの粘着質露出狂変態斧男を回避できるのか心配で堪りませんでした。しかし、しかしです。どこをどう頑張った所でやはりこのゲームは『クロックタワー』です。斧男はアリッサの隠れている部屋に入ってくるときょろきょろ辺りを見回し始めます。

そして見つからないとなると、妙に格好つけて。

『オーモシロイッッ!!』

面白くねえよ変態、気づけよ変態、気付いてないならどっか行けよ変態(暴言

アリッサがそう呟いていたのかは分かりませんが、私は思っていました。すると願いが通じたのか一度は出て行きましたが、直ぐに舞い戻ってきて再び。

『オーモシロイッッ!!』

――――。

―――。

――。

―。

去れ、変態(血涙

どうにかして欲しいのですが、最後は変態様の匙加減一つで全てが決まってしまいます。ようやく消失した後、色々探していると今回はエレヴェータに乗ってB1からB3までを移動するよう。B3には配電盤があるのですが、絶縁物質でも無ければ触れないほどの電気加減にアリッサげんなりです。

取り合えず上からということでB1を探索しようとすると直ぐに、変態斧男が追ってきます。奥の方に逃げながら回避ポイントを探すのですが、見つかったのはゴム手袋だけ。聖水を振り掛けても流石は筋肉質、なかなか硬直時間も短くてしかも素早い。ゴキブリのように偏執的なうざさがあり、しかも斧は投げつけてきます。闇の力の所為なのか、無限に沸いてくるようですし、斧は。というか前章で硫酸男、ジョン・ヘイグも無限に硫酸を吐き出していましたが、それも闇の力によるものか。兎も角、敵の武器は無限にあるので逃げ切らない限りはどうしようもありません。

辛うじてエレヴェータに乗り、B2に来て助かったと思っていると間髪いれずに斧男出現。アリッサ大慌て、聖水をまたしても浪費しながら奥に逃げると今度は火が燃えていて、ガソリンの垂れている辺りが回避ポイントとして光っていました。何か凄くやヴぁい気もするのですが、命には変えられません。意を決してクリックです。

しかし、アリッサはドラム缶に隠れただけでした。ぬ、いつものはっちゃけぶりはどうしたアリッサと訝しんいると、斧男の接近と共にガソリンが火の方向に近付いていくではありませんか。アリッサが操作しているのか? ドキドキしながら眺めていると、遂にガソリンと火が触れ合い発火。

アリッサたん焚殺キターーーー!!

これには流石の斧男も耐え切れず、断末魔の叫びをあげ倒れてしまいました。もう、殺し方が変態軍団と同じくらい執拗で容赦ないものになってきています。スバラシイデスネ(遠い目

その隙にバールを取り、B2Fから脱出です。しかし、B3に下りると直ぐに斧男が追ってきます。どうやら火で炙られて殺されることくらい、斧男には何ともないよう。流石のアリッサもばて気味ですが、隙をついて配電盤を修理し、バールで地下水路への蓋を取り除き、そして更に地下層へ。流石にここまで斧男は追ってこないらしいのですが、恨みがましい幽霊が一匹います。

彼の日記を読むと――。

斧男に閉じこめられた人間であること、眼鏡を無くして日記が書けなくなったのが心残りらしいこと、眼鏡はその数メートル先で悠々とその存在を主張していたことなどを鑑みると、余程の物臭な人間であることが分かります。というかそれくらい自分で拾えよっ! 幽霊になってまで訴えるべきことはもっと他にアルダロウ?

まあ、そいつからカードキィというアイテムをかっぱらうことに成功。地図を見てみると、B1にまだ言ってない区画があるようなので、そこに言ってみるとやはり斧男が追ってきます。来んな、もう追って来るな畜生。しかし、ゴールはもう直ぐです。暫く進むと案の定、現われた電子錠つきのドアを発見します。アリッサがカードキィを使い、中に入ると――。

扉の向こうは不思議の国でした(某宮崎アニメ風

9 2002年英国・クロックタワー(2)
おじいちゃん、大ハッスル

いきなり、アリッサの生家であるハミルトン屋敷に到着してしまいました。流石に驚くアリッサです。元々、屋敷のある場所からクロックタワーが生えてきたことと何か関係あるのか――そんなことを考えながら一階に下りると、いきなり赤ん坊の泣き声がしてきました。誰かいるのだろうかと近寄ると、そこには若い女性と赤子の姿が。しかもその若い女性、赤子のことをアリッサと呼んでるじゃないですか。

赤子に慈愛の視線を寄せる若き日のアリッサママ。麗らかな陽光が部屋に降り注ぎ、平和そのものです。しかし、やはり残念なことにクロックタワーはホラーでした。このほのぼのとした光景の裏ではとんでもない惨劇が展開されていたのです。

男二人の争う声が聞こえ、駆けつけて見るとそこでは愛しのアリッサおじいちゃんと見知らぬ男性が争っているじゃありませんか。しかも驚くことに、見知らぬ男性のことをパパの名前で呼んでいます。その内容がいかにもアレです。

「ナンシーの父親であるどころか、お前のような奴がハミルトン家の一員になるだと? 私は絶対に認めんぞっ!!」

どうやらこのおじいちゃん、娘婿に嫉妬満々で殺しちゃおうと企んでいるみたいです。

ああ、おじいちゃんが、おじいちゃんが。

逃げてーー!

しかし、もう誰にもおじいちゃんは止められません。近親願望剥き出しの欲望おじいちゃんにパパも抵抗するのですが、しかし愛は全てに勝ると筋書きが決まっています。

アリッサママにより強い愛情と欲望を抱くおじいちゃんが、最終的にパパを斧の上に突き落としてしまいました。

――アリッサおじいちゃん、うろたえまくっていますが、勿論罪の意識ではなく、アリッサやアリッサママと離れるのを怖れてのことです。警察を誤魔化すためのことばかり考えている彼は間違いなく、最早あっちの世界の人間に相違ありません。

一方、大好きだったおじいちゃんが人を殺したことにうろたえつつも、否定しようとするアリッサの元に何時の間にか変態斧男がやってきていました。無論、この事態に託けてアリッサの心の傷にたっぷりと塩を摺りこむことを忘れていません。

『これで分かったか、おまえのおじいちゃんは人殺しナンダヨッ!!』

まあ、プレイヤの私にとっては既におじいちゃんが人を殺すくらいにやヴぁい人格持ちだと理解しているのでなんてことないのですが、アリッサたんは大慌て。逆切れしたせいで、被害者の気持ちが強くこもったアイテムを持っていないのに『ルーダー戦闘モード』へとトランスしてしまいました。この時点でシナリオライタは、面倒臭い設定を一個捨てたに違いありません。

ともあれ威勢良く襲い掛かってくる斧男ですが――弱ッ!!

全然攻撃もして来ないので、さっさと縛り上げて――。

必殺技モード発動です

しかし、ここからが並みの変態とは違いました。

何と斧男はアリッサの一撃を容易く弾いてしまいました。新たな展開――というかよく戦隊ものとかにある強化怪獣の出現により大ぴんち? みたいなべたべたの展開。でした。

もうお分かりですね(唐突に

クロックタワー3はホラーの皮を被った変態怪人総登場の一人戦隊物だったのです。そう、これこそがゲームを変えたクロックタワー3の答えだったのです。

――――。

―――。

――。

―。

だから激しく間違ってるんだってばッ!!(滝汗

まあ、それは兎も角。怪人を必殺技でやれなかった場合の主人公の運命はただ一つです。打ちのめされ、何か酷いことをされちゃいます。

オーライ、御伽噺をしましょう。

昔々、あるところに一人の少女がいました。と、そこにハアハア言ってる上半身裸の変態怪人がいます。分かりますか、ハアハアです。さあ、皆様も繰り返しましょう。

ハアハア

ハアハア

ハアハア

ハアハア

ハアハア

ハアハア

――――。

―――。

――。

―。

アリッサたん、貞操ぴんち!?Σ( ̄□ ̄;

しかし、それでは18禁ゲームの展開です。クロックタワーも極めて残酷だったり微妙だったりしますが、それでもコンシューマ――良いコも鑑賞できるような仕様になってなければイケマセン。よってアリッサたんは異世界送りになりました。

さて、アリッサの生死や如何に?

10 XXXX年・異世界
さようなら、裸変態男

勿論、強い娘アリッサは死んでません。が、見渡す限り墓場という極めて辛気臭い世界に放り込まれてしまいました。

と、そこに落ちているのは『おじいちゃんの日記』の続きです。よりにもよって一番見たくないものなのですが、アリッサは興味津々の様子で覗いてしまいます。するとそこにはアリッサパパを殺したこと、警察の追求を逃れ切ったらしいということ、大きくなっていくアリッサのことを孫ではなくハアハアの対象としてみているということなどなど。どうやらおっきくなったアリッサママからは興味を失い、ちっちゃなアリッサに興味の対象を移しているようでした。

おじいちゃん、あんた――。

近親願望

ありまくりでなおかつ、

幼女属性

ですかいッ!Σ( ̄□ ̄;

おじいちゃんの一端を知りながらもなお、アリッサはおじいちゃんを慕っているのです。くっ、なんというおじいちゃんっ子だっ!

というわけでアリッサが進みだすといきなり、幽霊の群れと遭遇してしまいますた。

誰もアリッサと同じくらいのおにゃのこで、口々に悔しさを訴えています。曰く、魔の者に殺された、契約の儀式をあげさせられた――契約の儀式?

謎が謎を生む怪しげな儀式とは何なのだろうか? アリッサは幽霊などもう慣れっこですので、慌てることもなくこの墓場世界から抜け出す方法を探し始めました。すると魔法陣が二つ発生しているではありませんか。躊躇うことなく飛び込んだアリッサを阻むように、どうやって異世界に潜り込んだか斧男が襲ってきます。

『アーーリッサーーッッ!!』

精神的優位に立った所為かアリッサを蹴り飛ばし、しかも勢い余って空中一回転で怪しげな像の上まで跳躍してしまいますた。派手なパフォーマンスの好きな御方です。

『俺様はこの斧で幾多ものルーダーの命を奪ってキターーッ』

ちょちテンションが2ch風(苦笑 しかし、斧男はアリッサにとんでもないことを要求してきます。

『観念してお前の心臓を契約の儀式に捧げろッ!』

そう、この為にこそアリッサは今まで変態や変態や変態に追い続けられてきたのでした。そして、これからも変態に追われ続けるのでしょう――最悪の事実です。しかも、筋肉だらけの変態斧男には攻撃が通用しないのです。もう四方八方打つ手無し。

これは準備体操だーみたいな仕草で圧倒的な身体能力と格闘センスをアリッサに見せつけます。そしてここから普通の追跡モードに戻るのですが。回避ポイントにて隠れると、いつものようにテンぱっちゃってくれました。

『オーモシロイッッ!!』

さっきと反応が同じかよっ。

搭の地下の水槽よりもっと分かりやすい隠れ場所なのですが、斧男は気づいてくれません。

『オーモシロイッッ!!』

と言葉を残し、去っていってしまいました。

――――。

―――。

――。

―。

もう、
アフォかと、
ヴァカかと(暴言

その隙にアリッサは斧男を巻き、怪しい台座の所までやってきました。妙な碑文を読むとあからさまに回りくどい文章が書いてあるのですが、アリッサたんの妄想頭脳で謎を解き明かし『光の羅針盤』というアイテムをゲットします。そう言えば、アリッサの来たところには羅針盤の大きさのものを収める二つの穴がありました。バイオハザードもそうですが、分かり難いのか分かり易いのか判断できないところにカプコンゲーの匂いというのを強く感じるのは私だけではないでしょう。

しかし、ゲームの規則に背いてはゲームはできません。もう一つの魔法陣をくぐると、そこには変態男は居ずに恨みがましい幽霊が三匹いるだけです。この辺の過程は下らないパズルだったので、省略します。パズルの答えほど語っていて詰まらないものはないのですから。

ともあれ二つの羅針盤を手に入れたアリッサ。それをいかにも羅針盤とぴったりな場所にあてがうと、妙な異空間にトんじゃいました。辿り着いたのは一本道のいかにも崩れそうな崖。行き着くところまで行くと、そこには古めかしい矢があるじゃないですか。どうやらこれが戦隊物でいう『ぱわーあっぷ・あいてむ』のようです。古代ルーダーの矢で基本攻撃力の上がった(であろう)アリッサですが、ロリコン変態がルーダーを陵辱している壁画が飾ってあり、折角のパワーアップ気分が台無しです。これが契約の儀式というやつなのでしょう、魔の者はロリコソばかりです。もう、彼らのことは毛一つも信じられません。

そんな気分を抱きながら引き返すと案の定、崖が崩れ始めます。インディなんとかさながらに全力で走るアリッサはもう少しでスカートが見えそうになっていました。しかしカプコンの職人芸は(以下省略

何とか凌ぎきったアリッサですが、異世界から脱出すると間髪入れず斧男が襲い掛かってきます。しかし、既にパワーアップしたアリッサの敵ではありません。ルーダー戦闘モードに変化し、今度こそ言いたい放題の裸変態男をヤッツケロ!

――――。

―――。

――。

―。

――――。

―――。

――。

―。

こんなの無理、倒せません←同じネタで三回も引っ張るのかよ

いや、だって攻撃を全部弾くんですよ。どうやって倒せというのですか? 謎が解けずに一度目は斧の餌食になってしまいます。

しかし、ハンマー男にも硫酸男にも情けない隙があるのだから、斧男にはもっと情けない隙があるに違いないと思いながら探していると、流石カプコン、期待を裏切りません。二体の変態を超える救いようのない弱点が、斧男には存在したのです。

最初にも言ったとおり、斧男の持つ斧は『手斧』です。当然、投げつけてくるのですが、矢で弾けました。すると弾いたものが斧男の脳天直撃。

『グ、グオオッ!?』

直撃しもがく斧男は情けないほど隙だらけです。本当、凄まじく情けないし隙だらけです。しつこいようですが無様で情けないし隙だらけです。こうなるともうアリッサたんやり放題です。縛りつけ攻撃を打ちまくり、苦し紛れに投げてきた斧は勿論弾き返して、斧男の悶絶時間を増やすだけでした。そしてサディステックな緊縛状態に陥れるとアリッサが天に矢を向けます。

必殺技モード発動です

強大な天からの一撃が斧男を直撃、ただ流石は強靭な肉体を裸になって見せつける変態です。しかし、隙が分かれば脆いもの。再び斧を弾き返し縛りつけ。

必殺技モード再発動です

しかし。

体力零になったにも関わらず、なおも斧男は健在です。馬鹿な、ライフ・ポイントという既成概念すら監督は打ち破ってしまったのか? 永久にアリッサは斧男の変態っぷりを味合わなければならないのか? これこそがゲームを変えたクロックタワー3の真の正体なのか?

一瞬、そんなことを妄想してしまいましたが、原因はアリッサのとどめを強調するためのムーヴィを挿入する為だったようです。良かった、そこまでゲームを変えないで本当に良かった(安堵

ともあれ、アリッサがどれほど斧男という裸変態を殺したがっていたか理解できるでしょう。ライフを零にして殺し、なおもイヴェント・シーンでも殺したのです。とある推理小説の言葉を借りるならば、二度念入りに殺したと言えるのではないでしょうか――攻性発露とはこのことか。

とはいえ、斧男を殺しきり三度目の勝利を手に入れたアリッサ。魔の者に殺された幽霊も成仏し、ほっとするアリッサ。異空間からも脱出し、ほっとするアリッサですが、しかし彼女を徹底的に追う変態ロリコソ『闇の紳士』の勢力はまだ衰えていません。

案の定、アリッサはとうとうクロック・タワーの所以となる怪人と遭遇することになります。今まで散々なはっちゃけぶりを見せた斧男すらも可愛く見える、真の意味での変態がとうとう、アリッサの前に現れたのでした。

『CLOCK TOWER3 プレイ記録(2) --第二の怪人、鬼畜変態硫酸男--』
『CLOCK TOWER3 プレイ記録(4) --東洋かぶれの変態兄妹と知りたくない真実--』