CLOCK TOWER3 プレイ記録(5)

--窮極の愛に侵された窮極の変態おじいちゃん--

13 2002年・バロウズ城(1)
断頭台哀歌・前編

先ず、興味深々なのは前方に見える象も通れそうな螺旋階段なのですが、今は行っても意味がないよう。ということで、お誂え向きに備え付けられた左右の扉を攻略にかかります。ピートはどこかのドアが夏に通じていると信じていましたが、アリッサは別のことを信じています。

どちらかのドアが変態(兄)に通じ、どちらかのドアが変態(妹)に通じるということを。先ずは左側へいざトライ『カモン、べいべー!!』

変態兄、早速キターーー。

アリッサは必死で逃げ回りますが、階段を上がった先の廊下が崩れていて渡れません。変態に屈するのは悔しいですが、一時撤退です。拾ったものといえば、何処かの部屋の通風孔が壊れやすくなっていて開けられるようにしておいたというメッセージのみ。どうやらバロウズ城で処刑されている人を助けるための措置ですが、伏線の匂いがかなりするので深く心に刻み付けました。

さて、変態兄から辛うじて逃げ出し反対側のドアに向かいます。今度も妹が出てくると思ったのですが、彼女は兄に比べて少しはマシなようで、いきなりは現われてきません。階段を駆け上がると、しかしそこは左側と同じで行き止まり。灰色のくすんだ城壁が、アリッサの心を沈ませていく丁度その時、アリッサはとんでもないものを発見してしまいました。

バロウズ城の通路の安全柵が壊れていて、外壁に沿って渡れそうだという事実を。しかしその幅、僅か五十センチ程度。少しでも足を踏み外せば、地獄にもいけないほどの肉塊状態になってしまうことは、燎原を見る如く明らかです。

しかし、何度でも主張してしまいますがアリッサは強い娘です。しかも変態どもの襲撃によって恐怖が麻痺していたのでしょう。画面には表示されてませんが今までの変態との戦いが頭を過ぎっていきます。

『アリッサァァァッ!!』

『硫酸風呂に入るかあッ!』

『オーモシロイッッ!!』

『トーウトウ俺たちを引きずり出したナ?』

『チョキちょきるー♪』

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アリッサは虚無に苛まれながらも、外壁に沿って進み始めました。変態ゴー・ホーム――きっと彼女はそんなことを祈っていたのだと思います。さりげなく幽霊が飛び出してきてアレですが、最早アリッサは幽霊を怖がりません。幽霊を遥かに凌駕する変態を知ったからです。

必死に外壁沿いを進んでいくと、その奥に妙な通風孔があります。これがどうやら、壊れ易くなった通風孔のようです。アリッサはそれをこじ開け、パンツが見えない絶妙な角度で中に進入していきます。

中では何故か暖炉に火が灯り、かまども轟々と火が焚かれているようです。辺りには火消しの灰、妙なテーブル、陰気臭い壁の染み、変態登場の音楽。

ちょっきーっ♪

 

変態妹キターー。

やヴぁいです。ここは狭い部屋、どうやって鋏を持った変態を裁けば良いのか……そう思った時、アリッサはあるものを視野に入れました。同時に回避ポイントのマークが煌々です。その中心には火が燃え滾っているかまどが。まさかアリッサたん、それをどう使うというのでしょうか? もう私は恐ろしい予感で一杯です。そして……。

『キャハハハ、ちょきチョキ♪』

アリッサがかまどの開閉レバーに手を当て、変態妹が飛び出した瞬間、アリッサは。

開きました。

かまどの蓋を、徐に開きやがりました。

中には炎、煌々と燃え滾る炎。その中に顔面から突っ込む変態妹。

『ギニャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!』

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ヤりやがった……。

また、アリッサたんはで、

変態をヤっちゃいました。

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オーケイ、落ち着こう。現実を見据えるんだ。先ず、眼前にあるのは? ピクピクとごきぶりのように四肢を動かす変態妹の姿だ、現実その一。

オーケイ、この調子で分析していこう。どんな音が聞こえる? 変態妹の顔が燻っている音だ、現実その二。

オーケイ、これで最後だ。部屋の様子は? よし正常。変態が一人悶絶している以外、正常。アリッサたん、そう判断して家捜し決定です。

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ヤベーよこれ。ソフ倫はエロなんておまけ程度の18禁ゲームより、変態とはいえ人間をかまどで焚殺しローストにしてしまうこの表現に疑問を持たなかったのか? オーケイ落ち着け私。

アリッサたんは、余裕綽々で動いてます。もう、変態に対する憐憫の情もないに違いありません。闇を覗き込んだものは、しばしばそれに捉われるのですが、アリッサもその可能性大です。しかし、今はまだ正常に見えます。暖炉の奥に何かあるので、火を灰で冷静に消し、冷静にアイテムを取得。『Aの紋章』という名前ですが、後にこのイニシャルにはとんでもない秘密が隠されていることが判明します。

まあ、そのへんは良しなに。冷静に部屋を出て、少し怯えて戻ってみると。

妹消えてるよ、オイ(大汗

オーケイ、アリッサたんは落ち着いている、私も落ち着こう。取りあえず奥に続く廊下を行くと、広間に出ます。そこに変な燭台があるので調べてみると、妙な柱が二本競りあがってきて斧男のステージのように何かをはめ込む柱が登場してしまいました。ついでに変態妹も登場してしまいました。

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ひいっ!!

あの時、顔面を念入りに焼いたにも関わらず、妹は全くの無傷で鋏を振り回しながらアリッサに迫ってきます。色々な意味で恐ろし過ぎですが、妙な書庫を通り抜け、何とか外に脱出することに成功します。そこは最初、兄に追いかけられた通路の丁度反対側でした。通路にはまたお誂え向きに、柵が取り払われています。しかも奥には変態妹を焼き殺したかまど部屋に入るのとそっくりな通風孔がありました。オーケイ、話はよーく分かった。アリッサ、死の外壁渡り再びです(汗

しかし、そこは落ちることなく渡りきり、通風孔から今度は重たそうな本棚の置いてある裏側に到達しました。シザーウーマンが『チョッキーン♪』とか『チョキちょきるー♪』とか盛んに奇音を発していますが、アリッサたんは冷静に隠れてそいつをやり過ごしました。そして隠されていた『Nの紋章』を手に入れます。と、ここでアリッサたん、またまた閃きです。紋章が二つ揃ったということは、あのくぼみにはめ込めば良いのではないか……。

と、その前に書庫にあった妙な資料をゲットしておきましょう。その中身が変態撲滅の切り札と期待しつ――。

変態ロリコソ、アリッサおじいちゃん『ディックの日記(4)』でした。

はっきりいって絶望的に読みたくないのですが、アリッサは勇気をもっておじいちゃんの妄想日記を紐解いてしまいます――くっ、なんというおじいちゃんっ娘だ(汗

そこには要約すると、このようなことが書かれていたのです。

アリッサたんとハアハアする為の儀式の情報を得るため、
私はバロウズ城を探さなければならない。

もう老い先が短い私が唯一、アリッサとハアハアできる場所……。
しかしどうしても見つからない。

ど う す れ ば い い ん だ

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変態おじいちゃんの妄言など、スルー(笑

先ず、くぼみに紋章が先決です。勿論、カプコン流フラグメント管理の呪いはここでも有効でありまして、ぴったりはまった紋章はアリッサに隠し扉の存在を指し示します。

もううんざりするほどの隠し扉ですが、それにすらアリッサは慣れました。続く道には鎧の騎士と鉄の処女が所狭しと並んでいましたが、勿論無視。今までにない荘厳な扉を開くと、なんか規格外の人間が住んでました? みたいな大部屋に辿り着いてしまいました。

凄まじい量の蔵書、悪趣味なインテリア、頑丈そうな机、そして何故か映写機。何より目立つのは、妙な馬に乗った中世の騎士らしい人物の画です。当然、真っ先にアリッサはその元に向かいます。するとそこには『Dの紋章』『魔の者伝承の記録』の記録がありました。早速読んでいくと、どうやら『儀式』とは十五歳になった女の子の心臓を、契約するものが取り出すことによって成るものらしいです。そうすれば新たな魔の者は強い力を得て、世の中を更なる混沌に落とすというのです。アリッサ、ふんふんと感心しながら読んでいましたが、やがてその記録の中からアルものを発見してしまいました。

『おじいちゃん日記(最終巻)』です(涙

このおじいちゃんはこの期に及んでまだ、電波の記録を残そうとしているのか……しかし、おじいちゃんの妄想はいつでもアリッサにとって必読の書物です。アリッサはまだ、おじいちゃんがまともであることを、信じようとしているに違いありません……くっ、何というおじいちゃんっ娘だ(汗

しかし、アリッサたんの希望は脆くも崩れてしまいます。変態ペド趣味おじいちゃん、ディック=ハミルトン氏はとうとう、完全に闇へと支配されていたのです。私は例によってその証拠を提示しようと思います。そう、おじいちゃんの日記の要約的抜粋です。

私はとうとう、バロウズ城を発見した。それは何と今、私の住んでいる所に存在していたのだ……何という偶然だろうか。

そこで私は驚愕の事実を知った。バロウズ家の生い立ち、私はその人物を知っている。なんということだ……バロウズ公爵は私の先祖だった。私はバロウズ公爵の血を引いていたのだ。

バロウズ公爵には一人の娘がおり、魔の者となり孫とハアハアする為に心臓を抉り取ろうとした。しかし、その前日、娘は死んでしまい、公爵は嘆き悲しんだ。おお、私にもその悲しみが分かる。さぞ無念だっただろう。しかも偶然なことに、バロウズ公爵とその娘とその孫、私とナンシー、アリッサの頭文字は同じDNA。ななな、何という偶然だ、これも運命の悪戯だろうか? 私が儀式を結び、公爵の分までアリッサとハアハアしろという運命なのか、私はアリッサの心臓を抉らなければならないのか?

ど う す れ ば い い ん だ

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やべーよ、おじいちゃん。何時の間にあんた、横溝正史なんか読んだ? 

成程、読めた、読めました。クロックタワー3の本質が、とうとう私にも掴めました。この作品はホラーと見せかけ、実は謎の人物『闇の紳士』の犯人当てだったのです。手がかりは揃った、さあ闇の紳士の正体を当ててみろと、作者はプレイしている人間に挑戦状を叩き付けていたのです。

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―。

そんなの序盤で分かってたわ。紳士=おじいちゃん、一人二役……Q.E.D.

しかし、真相は私の想像を遥か超えた所にありました。この時、私の捻り出した解答は半分正解だったのですが、半分外れだったのですが、それはさておき。

こうなれば一刻も早く、おじいちゃんを探し出して詰問する必要があります。しかし、ドアが何故か施錠されていて外に出られません。スイッチがないかと映写機のボタンを何気なく押してみると――。

ぶーん、ぶーん。

堅そうなベッドに寝かされ、断頭台がデニスの顔スレスレを何度も通過していました(汗

デデデ、デーニスたん大ぴんちです。傍らでは変態兄妹、サムライ・王子様第二段階篠原ともえ『キャーハハハッ!』『アヒャーーーハッハッハッ!』と、笑い狂っています。

兄『アリッサ、お前の大事なお友達はほれこの通りだ』

妹『早くこないと、デニスの命が無くなっちゃうわよ』

デ『たたた、助けてくれーーーーっ!!』

ヒャーーーーッハハハハ。

キャハハハハハハッッッ。

ヒャーーーーーーーーーーーーッハハハハ。

キャハハハハハハハハハハハハハハッッッ。

はっきりいって、ウザい。

もう、こんな奴らもデニムもうざいのですが、しかしアリッサたんは良い娘です。こんな妖しい奴らを倒し、デニスを解放しようと半ば本気で思っていたのでした。

さて、ここで私なら変態の一挙手一投足に釘付けだったでしょう。しかし、アリッサたんは冷静です。映写機の光が当たっている所に窪みがあるのを見つけてしまいます。そこに先程見つけた『Dの紋章』をはめ込むと、扉が開きました。何故か『ブーン、ブーン』と何かを振り下ろすような音が聞こえるのですが、それはきっと些細なことでしょう。何とかして兄妹のもとに辿り着かなければ、デニスたんが真っ二つに下ろされてしまいます。

しかし、外に出ると何故か、騎士が斧を振り始め、鉄の処女がエレヴェイタになっていました。ここまで来ると、もうハミルトン邸の隠し通路や隠し部屋なんて本当、些細なものですね。先ず、手近な鉄の処女に乗り、地下に下りると鍵がかかってばかりで進めません。鉄の処女は四つありましたが、どうやら斧を交わしつつ鉄の処女で地下へと冒険しなければならないよう……最悪です。

しかしアリッサは臆しません。斧を交わし、やや複雑な配置から少しずつ鍵を開け、道を切り開き、最後の関門まで辿り着いたのです。しかし、ここからが真の問題です。

スイッチを入れると全てのドアが開く仕掛けなのですが、一定時間内に駆け抜けないと再び閉まってしまいます。つまり時間との競争。走れアリッサ。

何も、考えずに、走れ!!

間に合いました。そして古めかしい扉を開くと、ぶーんぶーん――。とても不吉な音がぶーんぶーん、聞きたくない音がぶーんぶーん。振り向くと断頭装置がデニスをまぷたつにしようと不気味に動いており、兄妹が笑いまくっています。ヒくアリッサ、しかし変態鋏兄妹は見逃してくれません。

『よーくここまで来たわね、アリッサ』

『サア、デニースを助けたければお前の心臓を差し出すのダ!』

ああ、見捨ててえ……アリッサは一瞬そう思ったかもしれません。しかし、ここでデニスたんが漢を見せてくれました。近付くアリッサに向けて、彼はこう叫んだのです。

『アリッサ、来るんじゃない、逃げるんだっ!』

やヴぁいよデニス、それNGワード。拙いです、こういう言葉を吐いたやられキャラはほぼ間違いなく殺されてしまうのがホラーの法則なんですよ。そこを分かってるんですかっ!

でも、私は思うのです。デニス、あんたにも漢の片鱗は眠っていたんだね……。

アリッサは変態兄妹よりも寧ろ、デニスの漢気に打たれて後ずさります。と、追い討ちをかけるように兄妹が通路を挟んで挟撃の構え……まずい、アリッサ微妙にぴんちっ!

と、その時、奇跡が起こります。階段が崩れ、アリッサだけが下に落ちてしまったのです。というかバロウズ城老朽化の弊害だったのですが、兎に角、変態兄妹からは逃げ出しました。アリッサは何とか地下を這って進みます。何故か梯子が伸びているので、そこから登ると……。

おじいちゃんの部屋だーーー(汗

待て、落ち着くんだ……素数を数えて2、3、5、7……いや、そんなもの数えてる場合じゃない。取りあえず部屋探しをすると、アリッサの絵日記が見つかってしまいました。きっと、在りし日のアリッサを想像してハアハアするため、巧妙に使われたに違いありません。と思っていたのですが、どうやらおじいちゃんはそれをハアハアではなく、思い出の品として『隠し扉の鍵』に改造しちゃったようです。

いや、それもかなり問題ありなのですが……。

階段を登ってみると、そこは直接例の大きな部屋に繋がっていました。よし、これで鉄の処女に乗って地下へ……しかしこの時、予想だにしなかった人物が部屋に現われたのです。

おじいちゃんだ……。

アリッサおじいちゃんこと『ディック・ハミルトン=闇の紳士』御大だー。

何をするのかと物陰に隠れると、おじいちゃんはいきなり魔法陣の中心に立ちました。そして、妙な呪文を徐に唱え始めました。

そして呪文を締めた時、おじいちゃんは肖像画に向けて叫び始めました。

『バロウズ公爵よ。契約の儀式を果たせず死んでしまい、さぞかし無念だっただろう』

そんな邪な計画は、無念に終わるのが幸いです。しかし、おじいちゃんはその執念からとんでもない妄言を声高に訴えます。

『さあ、バロウズ公爵。来るんだ、私の体の中へ。共に一つと成って契約の儀式をあげようぞ』

ひいっ! おじいちゃんったらもう、アリッサの心臓を抉って共にハアハアすることしか考えていません。純粋百パーセント、ハアハアです。その孫娘への窮極の愛が、かつて窮極の愛を示そうとしたものの魂を召喚してしまいます。ここに暗黒の奇跡が起こったのです。

バロウズ公爵『奇跡なんて、起きないから奇跡なのだぞ』

おじいちゃん『否。起きるからこその奇跡だ。さあ、二人で孫娘をハアハアしよう』

バロウズ公爵『ハアハア』

おじいちゃん『ハアハア』

バロウズ公爵『ハアハア』

おじいちゃん『ハアハア』

心の交感がひしひしと伝わり、一つになった時……肖像画からとうとうバロウズ公爵が飛び出したのです。それはアメイバ状になり、ディックおじいたんと一体になりながら魔法陣の中に消えていきます。アリッサ、危機を感じて飛び出したが既に遅し。二人のおじいちゃんはそのハアハアするシンクロニティにて、時を超え一体になりました。今ここに、魔の者を目指す孫娘萌えが生まれたのです。窮極の愛に侵された窮極の変態おじいちゃん……そう、これこそが、クロックタワー3の真の姿だったのです。

愛。

その凄まじい愛が。

物語の全てを作ったのです。

正にこの物語こそ、窮極のラヴ・ストーリィ

そう、クロックタワー3は名監督と一流のスタッフによって生まれた窮極の愛の物語だったのです。

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アリッサがおじいちゃんの壮大な愛に悩んでいると、そこに邪魔者が表れます。残っていた映写機が勝手に動き出し、また断頭台でキャハキャハ言ってる兄妹の姿が映し出されたのです。彼らは得意げに語りかけます。

『トウートウ、全ての謎が解けたようだな、アリッサ』

そうです。私は闇の紳士=おじいちゃんだと思ってきました。しかし、真実は闇の紳士=おじいちゃん=バロウズ公爵、三位一体だったのです。くっ、こいつは騙された(大嘘

『お前の心臓を欲しがっていたのは、お前のおじいちゃんと我らのバロウズ公爵だったというわけ』

そう言い捨てる妹。そして、彼らはアリッサが驚いている中で、一つの処断を決行します。

唐突に軌道を変える断頭台の刃。それが真っ直ぐデニスに振り落とされました。

ででで、デニスたんが死んだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(アセアセ

しかし、それにしては反応が少な過ぎます。よく観測すると、それは蝋で作った精巧なデニスのレプリカだったのです。兄妹はアリッサの狼狽を面白がり、嬉々として笑い始めます。

『おーっとぉ、こいつは試し斬りだ』

『本物は、こっち』

な……と絶句するアリッサの前で、ベッドが180度反転します。そこにいるのは本物のデニスたん。良かった、あの漢を見せた彼はまだ、ホラーの法則に反し活かされていたのです。

しかし、このままでは気紛れにデニスたんを真っ二つにされかねません。アリッサはぷんぷんです、もう自分を追いかける変態との戦いに終止符を打ちたいに決まっています。映写機の明かりが消えた後、アリッサは鉄の処女に乗って地下を通り、断頭台の部屋に毅然として乗り込みました。

さあ、散々アリッサを掻き乱した挙句、デニスをまぷたつにしようと企むチョキチョキ変態――偽及川光博と偽篠原ともえを倒すのです。

しかし、ここでもドラマは用意されていました。私は最大のショックを、彼らとの戦闘で味わうことになるのでした。

『CLOCK TOWER3 プレイ記録(4) --東洋かぶれの変態兄妹と知りたくない真実--』
『CLOCK TOWER3 プレイ記録(6) --お花畑でラスト・グッバイ--』