感想

小説

『虎よ!虎よ!』[アルフレッド・ベスター/ハヤカワ文庫]

4150116342 以前から読もうと思っていた古典作品ですが、新装版になったということでジョウント(注:虎よ!虎よ!に出てくるテレポーテーションの一種)よりも早く手を伸ばしてみました。 † どうしてこの年代のSF作家は、物語や主人公、話の...
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『福音の少年 虹のウロボロス』[加地尚武/徳間デュアル文庫]

4199051732 この話を峻別すると、日常に地続きな部分で主人公が戸惑う前半と、世界的規模での騒動に発展して主人公が戸惑う後半の二つに分かれています。つまり主人公は全編戸惑ったままかよと言われそうですが、そうなのだからしようがない。 た...
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『君のための物語』[水鏡希人/電撃文庫]

484024166X 去年のミミズク枠に入る作品と言えば、この作品がどのような内容かは分かっていただけると思います。 瀟洒で端正な文章、会話と細やかな稚気により組み立てられた非常に高い精度のユーモアセンス、そして時に肺腑の捩れそうな厳しさも...
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『空飛ぶ馬』[北村薫/創元推理文庫]

4488413013 ずっと読もうと思っていつつも棚の奥底に眠ったままだったのですが、リトルバスターズの某シナリオに触発され、さらっと発掘して読んでみました。 同じ日常の謎系でも、加納朋子とは割と真逆の傾向があることで知られているのだけれど...
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『藤堂家はカミガガリ』[高遠豹介/電撃文庫]

4840241643 こちらは大賞とほのぼのとした雰囲気はよく似ているものの、うって変わって異能力バトル中心の、勢いのある作品でした。逆に言えば勢いが勝ちすぎていて、伏線も薄く物語が作者の独りよがり気味という印象も受けましたが、主人公の二人...