『月曜日の水玉模様』[加納朋子/集英社文庫]

Misskey Mastodon

[tmkm-amazon]4087473740[/tmkm-amazon]

何となく加納分が補給したくて、棚から引っ張り出しましたが、短編集に定評のある女史の作品だけあって、全編概ね外れなしで楽しめる内容でした。日曜日の『野球やろうぜ!』はどこのCLANNADか、リトルバスターズかと苦笑してしまったのですが、加納読者∧Key好きってそんなにいないから、普通の人はそんな反応にはならないはずです、きっと(笑)


謎とその回収の鮮やかさもさることながら、陶子の視線で描かれる女性らしい細々とした観察、気遣いに満ちた日常の描写がとても楽しいのですよね。時にはそこに苦さが含まれることもあるけれど、基本的には前向きで優しい感覚を持っていて、読んでいて前向きな気持ちにさせられます。特に木曜日と金曜日の話が好き、後者は色々と身につまされるものもあるかもしれませんが。


そして加納作品全般に言えることなんですけど、見てる女性ってここまで見てるものなのだなあ、何だか女性に接するときはもう少し細かいところまで気を配らなければならないなあと、そんな怖さも感じてしまうのが何ともはや。その辺、クリスティの作品と共通してますね。この陶子もきっと、年を取ったらミス・ジェイン・マープルみたいになるんだろうな。


とまれ、あまり殺伐分のない、日常の謎系ミステリが好みというのであれば、迷わず手に取ってみてよいのではないかと思います。

小説感想
シェアする
Misskey Mastodon
仮面の男をフォローする
活動報告
タイトルとURLをコピーしました