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いつものようにムーミンを読み始めたら、胸躍る大冒険劇だった。何を言っているか分からないと思うが(ry
題名にもある通り、いつもは主人公の側で煙草をぷかぷか吹かしている温厚なパパの、若き頃の冒険譚。孤児として生まれ、院を飛び出し、仲間に出会い、船旅の中で様々なごたごたに巻き込まれ、新天地でもまた騒動に巻きこまれと、250ページの中に色とりどりのイベントが目白押しといった感じ。パパの楽天的で時々妙に辛辣な性格は息子に負けず劣らずなのですね(笑)
物語をせがむ子供世代とパパとのやり取りも愉快で、ラストはやや唐突な感じもしないでもないですが、あのオチはべただけどやはり、胸にじんと来るものがありました。こういう慌しい話も書けるのか……。
ただ子供の頃に冒険をあまりしなかった大人が読むと、ちょっと居た堪れないことになるかもしれません。あと、冬と併せて読むと、作者の『社交的なものに対する一種の憎しみじみた感情』が如実に感じられて、作品とは関係ないところで面白いかもしれません。