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実にやっすい煽りの帯で最初こそクマーという感じだったのですが、寧ろそれで敬遠してる人多数じゃね? と私の中のゴーストがささやいたので、逆に嬉々として釣られました、クマー。
その後、約2ヶ月の発酵期間を置いての読了だったのですが、これは素晴らしいSF+海洋サスペンスでした。1500ページ強をほぼ一気読みですよ。
鯨を狩るとかなんなの? 馬鹿なの? そんな欧米的鬱陶しさに満ちたエコ感覚、そっから盛り上げるべきじゃないのかよぅ的なラストなど、いくつか引っかかる点はあったものの、細緻で多彩な取材を基に描き出される深海という名の大宇宙、そこから引き起こされるサスペンスと続く地球的カタストロフィ、そして明らかになるYrrの存在、その結末まで。ほぼ全ての描写において読み応え抜群です。
もし、これまでに『気になるけど、長さが(帯の煽りが)ちょっとなー』と思う方がありましたら、悪いことは言いません、今すぐ手に取り読んでみることをお勧めします。
この世の不思議を空と宇宙にばかり求めていたことの不明を知り、そして読み終えた頃には不明の最深部に点る光を知ることでしょう。