少し前に購入したままだったのですけれど、仮面の男さんが何気にシリーズを追い続けている狩野俊介シリーズの最新刊が発売されていました。百舌姫事件という、題名からして非常に痛々しい予感を覚えるものですね。表紙絵が前回までと違うのは、これまでの担当だった末次氏が体調不良になられたからであるのこと。ううむ、ウェブサイト見たら五年くらい更新の形跡が見られないのだけれど……心配すぎるなあ。
ちなみに上が新刊の書影。Amazonになかったので楽天のリンクを使ってみました。最近、Amazonはとみに書影の準備をサボり過ぎ。せめて絵で売るタイプの作品は、発売日以前に用意するくらいの心がけがあっても罰は当たらないどころか売り上げに相当跳ね返るんじゃないかと思うのです。
それはさておき。
長編としては七年ぶりのリリースなのだそうで……七年か、長いなあ。でも前作の久遠堂事件は大学卒業の間際付近に読んだ記憶があるので、相違ないのでしょう。第一作目『月光亭事件』から今作で、ようやく作中時間にて一年が経過した計算となります。
ゆっくりしていってね! にも程がある――けれど、野上探偵と俊介を中心とした丁寧な時間の流れが、このシリーズの魅力でもあるんですよね。
ライトノベル寄りのミステリが好きならば、是非とも読んで頂きたいシリーズだと私は新作が出るたびに毎回述べているような気がしますが、残念なことにあまり賛同は頂けないどころか、周りで私以外に読んでいる人を二、三人ほどしか見かけません。面白いんだけどねえ。
ただ、ノベルスで出てたり文庫で出てたり、文庫でも徳間文庫だったりデュアルだったり、そもそも絶版になっているものもあったりで、揃えるのがとても手間なシリーズになりつつあるのですが。寧ろ古本屋にいってノベルスの棚をさらったほうが良いかも。
というか銀扇座事件が現在絶版って、ううむ。あれは結構衝撃を受けた作品なんだけどなあ。今でもおぼえているくらいに。
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ちなみに、仮面の男さんがこのシリーズの存在に気付いたのはその銀扇座事件だったりするのでした。どうして購入したかと言うと。
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どうみても右下です、本当にありがとうございました。
ただシリーズ11作目というので、過去作品を総ざらいするかどうか随分悩んだ記憶はあるのです……3ヶ月くらいかな。最初に月光亭を買って、そのままずるずるとなし崩しにかつ迅速に10作目の『白亜館事件』まで読了したのでした。短編集は、後回しにしたんだっけかな……。
それにしても、今回の百舌姫事件で、リアルでは20年の時間が経っているのですよね。1作目からリアルタイムで購入している方の感慨はどのようなものなのか、わたしとても気になります。