『容疑者Xの献身』[東野圭吾/文春文庫]

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別にガリレオを観ているわけでも、映画を観に行く予定もありませんが、以前より興味を持っていたタイトルの文庫化でしたので、堂々と手を伸ばしてみました。

結論から言えばガリレオシリーズを読んで初めて面白いなと思える話でした。先二作は破天荒なトリックを駆使しながらも垢抜けず、同じ類なら加藤元浩『Q.E.D. 証明終了』のほうが余程優れているなと感じたくらいで、そこまで高い評価はしていなかったのですが。

本作はそのようなお膳立てを一切使わず、しかし理数的なものの考え方を十全に示しており、それが物語やトリックと上手く結び付いていました。おそらくシリーズで唯一、探偵を理数学者にすえた意味のある作品だったと思います。

メインの話の落としどころ、トリックの見せ方の上手さなども優れており、何よりも石神の造詣が反則的過ぎて困る。これは確かに高い評価を受けてしかるべき作品だと思いました。

最初に映画を観に行く予定はないと書きましたが、石神のキャスト如何では観に行きたいです。彼が大根だったり無駄に美形だったりするならば多分パスしますが。

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