『天の光はすべて星』[フレドリック・ブラウン/ハヤカワ文庫]

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再読になるので、内容如何については省略。

前回読んだときは直向きな努力が手折られる痛切な話として読めたのですが、不思議なことに今回はそこまで悲痛なものを感じなかったのでした。自らが星をゆくことのできない悲しさは今回も読み取ることはできたのですが、ラストシーンも寧ろ、夢が延々と継がれていくことを示す肯定的なものと捉えることができたように思えます。

きっとかつての私は、成すべきはあくまでも私で、それを継いだり継がれたりすることに何ら価値を置いていなかったのでしょう。それから五年近くの月日が立ち、家庭を築くことも子を設けることもなく、状況はそんなに変わっていないのですが。何かの礎になれるだけ、それはそれで良きものであるのだと、心の片隅で思い始めているのかもしれません。

そんなわけで、自らの心の変遷を突きつけられたかのような再読でした。あまり同じ本を二度以上読むということはしないのですが、本は一字一句変わらなくとも、受け取る人間の変化によって読み方が変わるのだということを、印象深くも感じ取った次第です。

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