急にレイ・ブラッドベリを読みたいという気持ちがわきました。本屋を探し、一番最初に目についたのが本著だったので、さらりと購入してきたのでした。
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SFというよりは幻想もの、怪奇もの、あるいはごく普通の恋人や夫婦の機微を切り取った話を集めた短編集でした。短い話の中に感情の一触れ、哀切、恐怖、喜びを切り出していてどれも読み応えがある作家なのだということを四冊目にしてようやく少しだけ理解したような気がします。短編の作家という評価もむべなるかな。
どれも良い話なんですが、その中でも世にも不思議な出会いから始まり、切なくもどこか暖かい結末に着地する『オリエント急行、北へ』かな。一番ぞくりと(うっと来たというのが正しいのかもしれない)来たのが『プロミセズ、プロミセズ』かな。あの信心深さの根拠の無さは、本著のどの怪奇譚よりも怖かった。
とまれ、満喫できたので続いて氏の短編集をそろりと読んでいこうと思います。次は『塵よりよみがえり』かな?