『生まれ来る子供たちのために』[浦賀和宏/講談社ノベルス]

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ファウストで書いてた作品がどうかは知らないけれど、私にとっては浦賀初シリーズ完結作品なので、割と襟を質して読んだのですが、妄想と暴走の果てに八木の辿り着いた境地が、悲惨極まりなく酷くて、けどどうしようもなく綺麗で、この読後感を言葉にして伝えられそうにありません。きっとシリーズを読み終えた方なら、この名状しがたいこの気持ちを少しでも汲み取ってもらえるかと思いたい。信じたい。

中盤以降の、全て語り終えた世界を始末する容赦のなさは、一週で世界を箱庭にまで容赦なくリセットしてしまった『なるたる』の最終話に通じるものがありました。あのトラウマをもう一度味わわされること必定なので、あの最終回に怒りしか沸かないという人は覚悟しておいたほうが良いかもしれません。

まだ自分の中で整理はついていませんが、この暗黒青春恋愛一大発憤劇小説が一応の着地点まで到達できた(書かせてもらえた?)ことには素直に喜びたいと思います。喜んで良いのか? 良いんだよね?

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コメント

  1. tryme より:

    不覚にも最期 泪がこぼれました。
    これは、剛士と純菜の世界の別々の話だったのですね。

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