去年読んだ本の感想崩し、その1。その2以降はあるのだろうか……。
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様々な時間の流れが、あまつさえ死の時間さえ重なり合う世界で。前半はその差異を噛みしめるような料理人たちの暖かい交流が。後半はその差異に急き立てられるような冷たい無歩の行進が描かれていた。
削り込んで削り込んで疾走感を優先した文体は、電車という早い流れの表現なのか、氏の確立されきったものなのか。前後作を読んでないので分からないんですけど、私にはちょっと早過ぎる話だった。特に前半の交流は、もっと緩やかであって欲しかったなあと思った。
あるいはもしかしたら朗読したときに最適化されるような文体を目指して書かれたのかもしれない。機会があれば朗読しながら読んでみようかな。あと、古川氏の朗読ギグとか聞くとこの作品の印象も変わるかもしれないなあと思った。