『恋文の技術』[森見登美彦/ポプラ社]

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森見登美彦氏が齢30にて蓬莱ざ――もとい、なよ竹のかぐや姫を娶った事実、真に唾棄すべきと言わざるを得ないがしかし、作品に罪はない。というわけで早速新刊を購入し、読み終えました。

面白かった! これは常に当たりを感じさせてくれる氏の作品の中でも一層の大当たりでありまして、夜は短し――以降に出たものだと一番の好みです。

私は『太陽の塔』の軽妙洒脱でいちいち勿体振った文体の中に繰り出されるひたすらな駄目っぷりに心底惚れたクチなのですが、本作はその気配が太陽の塔を除けば最も濃い内容で、手紙の一通一通を読むたび思わず腹を抱えてしまいました。私は電車内が主要な読書空間なので、周りにいた人たちをさぞ怪訝に思わせたに違いありませんが、しかしオモチロイのだから仕方がない。

有頂天も竹林も非常にオモチロイ話だったのですが、やはり仮面の男さんは氏の綴る漢汁全開な四面楚歌四苦八苦八面六臂な駄目っぷり描写が一番好きなのだと思いました。私もこういうセンスで笑いを書けるようになりたいのう。

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