暗黒水脈を飲み干したり

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先日、コミックマーケットに当選したと書きましたが、スペースを記載するのを忘れていました。二日目、東6、チ57-bです。既刊もある分だけそろっと持って行く予定です。新刊については作業が落ち着いてから前回と同じよう、特設のページを作ろうと思います。

さて、本題なのですが私は今日、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』を読み終えました。ミステリ四大奇書の一つとされているアレです。これまでWebで読もうとして挫折すること幾度か、今回iPadの機能を用いて書籍に近い形で挑戦したところ、何とかゴールすることができたのでした。疲労感、そして達成感、そして何とも呆気に取られた読後――確かに何とも奇書でした。というか読み終えた段階でも、どれだけ頭の中に入っているのかさえ疑問です。とにかくマイナな蘊蓄が怒濤のように攻め寄せてきて、しかも推理の本流から俄にはみ出したものばかりでありまして。この蘊蓄披露趣味はファイロ・ヴァンスの系譜を受け継いだためなのでしょうが、流石に厳しいものがありました。

加えて法水探偵の性格が奇妙奇天烈でして、ミステリに読み慣れてない段階で手をつけるとそこでもうっとくること間違いないでしょう。作風としてはウンベルト・エーコ『薔薇の名前』に近いんですけど、バスカヴィルのウィリアムは修道僧だけあって取っつきやすい性格ではまだあったのですが、法水探偵はヴァンスばりのいけすか無さまで全開以上に引き継いでます。正直いって私も、ミステリ好きとしての矜恃がなければ一度挫折したところで諦めていたでしょう。読んだだけで誉められる作品という評判もむべなるかな、です。

でも一種異様な黒死館の雰囲気を楽しむのは一応面白いですし、ここから子引き孫引きされていったミステリの源を見つけ、くすりとする楽しみもあると思います。ある種の覚悟を持って、吶喊するのもあるいは人の性であるかもしれませんが、読んで壁に投げつけたなどと言われても当方は責任を負いかねると予めここに記しておきます。

さて、次はもっと柔らかい話を読みたいであります……。

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コメント

  1. 仮面の男 より:

    3.0にアップデートしたのでテストコメント。

  2. 初めてのコメ、失礼します より:

    ブログ、再移転なさってたのですね。
    そしてコミケ当選、おめでとうございます。
    以前に『岸壁の記憶』を買わせて頂きましたし、今回も期待しております。
    そして久々にKanonSS読ませて頂きましたが、今でも天使の消える街の完結も期待しております(w)。
    ともあれ、コミケまで頑張ってくださいね。

  3. 仮面の男 より:

    すいません、物凄い返事が遅れました。
    livedoorの使い勝手というかWordPressの便利さを某所で知りまして、旧情報との統合もできるようですので、再度移転しました。何度も移ってばかりで申し訳ないです。

    ほったらかしにしてるSSについては申し訳ないとしか言えない状況です。
    書いてるほうも話を半分失ってる状態なので、続けるのは困難なのですね、こちらもすいません。

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